定期試験は「点数」だけでは語れない――本当に見るべきものは何か
昨日の授業では、定期試験の結果が出揃った生徒が多く、教室ではこんな声が聞こえてきました。
「点数上がった!」
「やばい、下がった…」
「◯◯点以上だったら何か買ってもらえたのに…」
点数というのは非常にわかりやすい指標なので、どうしてもそこに目が行きがちです。
けれど、試験を正しく評価するためには、点数だけを見ても十分ではありません。
その試験の難易度を示す指標である平均点が、実はものすごく重要なのです。
平均点を見るだけで、試験の景色はまったく違って見える
例えば、点数が60点だったとします。
一見すると「まあまあかな」という印象かもしれません。
でも、その試験の平均点が30点だったらどうでしょうか。
それは「平均点の倍」 です。
その子は難しい試験で、しっかり力を発揮できたという評価になります。
逆に、80点という一見高い点数であっても、平均点が80点だとしたらどうでしょうか。
それは「みんなと同じくらいできた」という意味でしかありません。
もちろん、どんな試験であっても80点を取れるのは、基礎が身についている証拠なので素晴らしいことです。ただ、難易度=平均点を考慮しない点数だけの評価は、子どもの本当の頑張りを見落とす可能性があるのです。
模試では平均点との差を「偏差値」で見る
模試(Vもぎなど)では、平均点との差を「偏差値」という形で数値化します。
- 60点でも平均点が30点なら偏差値60近くになることがある
- 80点でも平均点が80点なら、偏差値は50にしかならない
だからこそ模試では、点数よりも偏差値を見て、自分の現在地を客観的に把握するのです。
「◯◯点以上ならご褒美」の落とし穴
ここでひとつ、保護者の方に提案があります。
お子さんのモチベーションづくりとして、
「◯◯点以上だったらご褒美」
といった点数ベース”の約束をされることはよくありますし、それ自体はまったく悪いことではありません。目標が明確になるのは、子どもにとってもわかりやすいからです。
ただ、もし余裕があれば――
「平均点」を基準の中に少しだけ混ぜてみると、より正確にお子さんの頑張りを評価しやすくなるのではと思います。
お子さんの努力を正確に評価するためにも、点数だけで判断しない視点を持っていただけると嬉しいです。
※そもそも、ご褒美を作ることで子どものモチベーションを上げる、という手法自体どうなの?といった疑問についてはここでは語りません。
とはいえ、いちばん大事なのは「答案」を見ること
点数や平均点の話をしてきましたが、試験が返ってきたときに最初に見るべきものは、やはり 「答案」そのもの です。
- 何ができて
- 何ができなくて
- 次の試験勉強では何が改善できるのか
ここを丁寧に振り返ることこそ、次の試験につながる振り返りになります。
この「試験の振り返り」については、先日の授業でも詳しく話したので、また別の記事でまとめようと思います。
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