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模試を受ける本当の意味 ──「結果」より大切な3つのことと、受けるときの心構え

今日は中3の授業で、明日のVもぎ(都立入試模試)に向けた演習を行いました。
実際の入試と同じ形式で時間を計りながら解くと、制限時間の中でどう動くか、どんなミスをするかがよく見えてきます。

そんな中で、時間が余ってぼーっとしてしまう子もいました。
「その時間はもったいないよ、制限時間を目一杯使って徹底的に見直しをしよう。」
と声をかけたあと、模試を受ける「意味」についても少し話をしたので、ここでも少し整理してみます。


目次

模試を受ける意味

① 外部会場の緊張感に慣れる

模試を受ける最大の意義は、外部会場の独特な緊張感に慣れることです。
知らない人ばかりの教室、いつもと違う机や椅子、いやに静かな空気──。
そうした「非日常」の空間では、いつも通りの力が出せなくなることがあります。


② 入試戦略の“実験場”にする

模試は「自分なりの戦略」を試す場所でもあります。
どの大問から解くのか、時間配分をどうするか、見直しのタイミングはいつか──。
こうした戦い方の実験は、普段の問題集演習だけでは得られません。

家や塾での演習はどうしても自分の見慣れた“安全地帯”で行われるものです。
一方で、模試は“緊張した状態で初見の問題に挑む”という、まさに本番を再現できる場所です。
だからこそ、「受験本番で自分に合った戦略」を見つけるための実験場として、模試を活用してほしいと思います。


③ 復習教材として使い切る

最後に忘れてはいけないのが、復習教材としての価値です。
特にVもぎは、都立入試そっくりの形式で作られていて、1冊の良質な問題集として使い倒すことができます。

受験後に配られる追加冊子も含めて、隅々まで復習すれば、それだけで大きな力になります。
逆に、結果だけを見て安心したり落ち込んだりして終わるのは、模試の価値を半分しか使えていないということでもあります。

復習のポイントは、「受けた当日に全て終わらせる」こと。
問題内容を一番よく覚えているうちにやる復習は、記憶の定着率が圧倒的に高いからです。


模試を受けるときの3つのポイント

ここまで模試の意味を整理してきましたが、
その意味を最大限に活かすためには、受けるときの「心構え」も重要です。
以下の3つを意識するだけで、模試の価値は何倍にもなります。


① 「これは本番だ」と思って解く

模試を“練習”ではなく“本番”だと思って解くこと。
これが最も大切です。

本番のつもりで受けなければ、外部会場の緊張感に慣れることもできません。
「これは入試本番だ」と思って問題に向かうことで、わからない問題が出てきたときの対応力も鍛えられます。

わからなくても、なんでもいいからマークをする・解答を書く。
時間が余ったら、隅々まで見直す。
本番では、こうした小さな行動が結果を左右します。模試の時点でそれを体に染み込ませておきましょう。


② 実験のテーマを持って受ける

ただ受けるのではなく、「今日は何を試すか」というテーマを持って受けてみてください。
たとえば──

  • 英語は「大問2→大問4→大問3」の順に解く
  • 数学は「証明問題は最後に回す」
  • 国語は「漢字→説明的文章→物語的文章」の順に解く

といったように、自分なりの作戦を立てて模試に臨むと、
結果を分析したときに「このやり方は自分に合っていた/合っていなかった」と気づくことができます。
それが、次の模試や入試本番の戦略づくりに直結します。


③ 当日中に復習を終わらせる

これは何度でも強調したいことですが、
模試の復習は受けたその日のうちに終わらせる。

模試当日は記憶が最も鮮明です。
「ここで悩んだ」「この選択肢で迷った」といったリアルな感覚が残っているうちに復習することで、理解が何倍にも深まります。
だからこそ、模試当日は他の予定を入れず、「模試+復習」で一日を完結させることをおすすめします。


おわりに

模試の目的は、点数を取ることではなく、
自分を試し、修正し、次に活かすこと。

「本番のつもりで」「自分の戦略を実験し」「その日のうちに復習する」。
この3つを意識するだけで、模試は単なるテストではなく、自分を成長させる最高の教材になります。

【余談】塾長の“受験本番でのミス”が教えてくれたこと

最後に、私自身の受験の失敗談を。

大学受験のとき、当時のセンター試験で『数学Ⅰ・A』を受けていました。
大問1、2、3と順調に進めながら、「今年の数学Ⅰ・Aは簡単だな〜」と余裕綽々で解き進めていました。
ちなみに、私は当時この科目が一番得意で、模試でも毎回90点台を取っていました。

ところが、大問4に進んだとき、ふと違和感を覚えました。
「あれ、なんか、いつもと問題の傾向が違うかも…?」
そう思って問題冊子の左上に目をやると、そこにはこう書かれていました。

『数学Ⅰ』

自分の受験科目ではない『数学Ⅰ』の問題を解いていたのです。慌てて後ろのページをめくると、『数学Ⅰ・A』がありました。それに気づいた瞬間、頭の中が真っ白になり、

「終わった…。」

と小さく呟きました。

気づいたときには、すでに試験時間の半分が経過。
必死に大問1から解き直しましたが、間に合わず。
結果、いつも得点源にしていた数学Ⅰ・Aは70点程度。
そのミスが響いて、第一志望の大学には届きませんでした。

今では笑い話ですが、当時の私は会場を出るとき、「ぼくの人生はここで終わった」と絶望感に打ちひしがれていました。
本番では、こういう“想定外”が本当に起こります。


だからこそ、模試で緊張すること・ミスを経験することには大きな意味があります。
模試での失敗を通して、本番で同じことを繰り返さないようにする。
その経験こそが、模試を受ける一番の価値かもしれません。

※ちなみに、当時星の数ほど受けたセンター模試では、一度もそんなミスは犯しませんでした。いやー本当になぜ起こったのか、今でもわかりません笑


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